Monthly Archives: 9月 2017

<レポート> 第3回 ボイス読書会 「わが友ヒットラー」 9月30日

すっかり秋の空気に入れ替わった9月30日に第3回ボイス読書会「わが友ヒットラー」は行われました。
場所は駒込地域文化創造館。参加者2名。
今回もご好評いただきました。
登場人物4名、参加者2名、待ち時間が少ない上に二役の面白みもありました。
ボイス読書会は少人数を意識すると良いのかなぁと感じました。

読了後のディスカッションの抜粋をご紹介します。

・シュトラッサーはゲーマー
→パワーゲームにしか関心が行っていない
→ゲームに勝ってどうしようというのか理念が見えない
→その意味でホリエモン
→労働者のことを思ってなどいない気がする
・レームは見たいものしか見ていない
→その意味でネトウヨ
→同性愛趣味を感じさせる
→作者の代理人でもあるように思える
・クルップは落ち着いた老人として描かれているのに自分の商品の銃が謀殺に使用されたことを知って饒舌になっているのが奇妙
→死の商人なのでセールスマインドの発露なのでは?
・ヒットラーは悪だなぁ
→中道と言っているがこれは中道ではない
・第二次世界大戦前後の日本にカブる
→二二六の青年将校へのオマージュを感じる
→山本五十六と幹部の対立も連想させる
→戦後日本の象徴天皇制への嫌悪感を感じさせる箇所がある
→ヒットラーは昭和天皇の役どころ?
→シュトラッサーは幣原喜重郎?
→するとレームは二二六の青年将校?
・ところどころ毒がある
→笑うところ、結構ある
・レームが処刑されるところ、取り乱したとある
→作者としてレームの処刑は描くに忍びなかったのであろう
・レームは友情友情と言うが、権力闘争の世界なのに…
→浮世離れしている
・三島由紀夫は薄っぺらくない?
→人物の造形にまるで深みがない
→漫画のように役割分担が明確だからだろう
→自分にとっての理想の天皇像をヒットラーに託した気がする
・サド侯爵夫人とわが友ヒットラーで女性しか出ない、男性しか出ないと対比しているが、どうしてそんなにジェンダーに囚われるのか?
→三島の同性愛趣味を想起させられる対構造である

会の雰囲気は伝わりましたでしょうか。

第4回 ボイス読書会 「幕末純情伝」 10月29日

第4回ボイス読書会を開催します。

つかこうへいの「幕末純情伝」を題材として取り上げます。
– 沖田総司は実は女性だった
意外な奇想で知られますが、男と女、理想、希望、青春、野心、プライド、怨念、悲哀、憎悪、そして愛がアラベスクを織り成し、むせ返るほどの情熱の迸る作品です。
野暮な解説はいたしません。

絶版となっていますが古本をAmazonで入手できます。古書店の通販でも入手可能。
単行本で159ページですが、歯切れのよい掛け合い多数なので2時間30分ほどで読了する見込みです。

音読をたっぷり楽しみましょう。

【題材】
「幕末純情伝」 つかこうへい
白水社版を各自お持ちください

【定員】
6名まで (会場都合のため)

【日時】
2017年10月29日(日曜) PM1:00〜PM5:00

【場所】
駒込地域文化創造館 4F 第4会議室
東京都豊島区駒込2-2-2

【費用】
参加費:無料
会場使用料:800円を割り勘します

【当日の流れ】
自己紹介:名前と抱負と自己アピール
ブリーフィング:主催者が題材について簡単な説明をします
配役:役どころの割り振りを行います
音読:課題本を音読します
休憩:適度に休憩します
音読:読了するまで音読します
感想交換:感じたこと思ったことをシェアします
意見交換:疑問や意見をシェアしてディスカッションを楽しみます
二次会:盛り上がりに応じて二次会を行います

●参加申込
こちらの申込フォームからどうぞ。

<レポート> 第2回 ボイス読書会 「友達」 8月27日

うだるような暑さとなった8月27日に第2回ボイス読書会「友達」は行われました。
場所は駒込地域文化創造館。参加者4名。
外の空気よりも熱く進行しました。
待ち時間が多すぎもせず少なすぎもせず、4名体制でちょうど良かったと感じます。

今回もたいへんご好評いただいております。
皆様に堪能していただけて主催者冥利に尽きます。

また音読と演劇が混淆一体となった衝撃は前回と同じく今回もありました。
黙読とはまるで違う、段違いに理解が深まるといった声をいただいております。
何かの鉱脈を掘り当てた気がします。

読了後のディスカッションの抜粋をご紹介します。

・アウトプットすることが新鮮
・前近代では読書は朗読だった、黙読するようになったのは近代以降のこと
・かつて地方はしがらみが強かったが都市化によってしがらみは薄れた
・しかし今またつながりを求められている
・現代では弱い紐帯が注目されている
・「土足はひどいじゃないか」と言われて靴を脱ぐ場面、これはすり替えである。こうしたすり替えを行う人はいる
・思い込みの強い人の思い通りになる社会の状況がある
・前近代と都市化が交錯する舞台
・電話が役割を果たしている
・男性が電話を所有しているのはリッチなこととして描かれている
・個人や核家族の勃興した時代を感じる
・男は会社で身辺のことを話さないのか疑問である
→会社では言っていないのではないか?
→都会の孤立?
→男は元から孤立していたのでは?
・理由なく不条理に友達として迫られていることが不気味
・最初は暴力を振るわれないだけマシだと読んでいた
→あがりこまれるが、近所付き合い、人付き合いのある男であったならば、このような被害は回避できたのではないか?
・三男の賭け
→待望する人々、ゴドーを待ちながらに通じる不条理性の挿話
・婚約者の兄
→家族にとってあるべき男の姿なのでは?
・多勢に無勢だと自分がおかしいと思うのではないか?
→洗脳や警察の自白の強要に一脈通じる
・心理学の実験で棒を選択するというのがある、どちらが長いかを選ばせる
→みんなの意見に反対しないものを選ぶようになる
・逆らいさえしなければ世間だったのに…とは、世間
・何故殺したのか?
→彼らの思想を受け入れなかったから?
→男の孤独癖のため?
・この人たちには悪気ある?ない?
→ない
・この家族に血のつながりはあるか?
→ない
・前近代での旅芸人を彷彿させる集団である
・男性が生き延びるためにはどうすれば良かったか?
→彼らの思想を受け入れていれば良かったのではないか?
・その時代の流れ(強い紐帯から弱い紐帯に移行しようとする人たち)を汲み取り、旧来のあり方からの移行を描いた作品として考えると上手に作ったものだと思う
→排除の現象学が倒錯して表象されている
・カッコつきの常識に過ぎないことへの警鐘を読み取れる
→最後のシーンは家族の価値観対男の価値観?
・あれは粛清だったのだろうか?
→粛清の手法に似ているのは確かなこと
・当時の社会情勢、過激派学生の存在を背景としているのでは?
→赤軍派もまた疑似家族である

会の雰囲気は伝わりましたでしょうか。